2012年6月27日水曜日

2012年7月の俳句

汗ばみて家裁のベッドに赤子寝る
 
 家庭裁判所の待合室にはベッドがあります。離婚事件などで出頭した母親が赤ちゃんを寝かせるためです。時々,このベッドにかわいい赤ちゃんが寝ているのを見ます。きっと,離婚事件なのでしょう。母親は不安そうにうつむいて椅子に腰掛けています。すやすやと寝ている赤ちゃんもうっすらと汗ばんでいます。この子にはこれからどんな運命が待っているのでしょう。幸いを願わないではいられません。
 

2012年6月24日日曜日

平成25年6月の俳句

獄(ごく)の塀片蔭(かたかげ)もなし母辿(たど)る 



「片蔭」というのは,建物や塀の片側にできる日陰のことで夏の季語です。

暑い時期には,外を歩くときには少しでも日陰の涼しいところを選んで歩きたいものです。
しかし,太陽が真上から照らす真昼近くは片蔭すらできません。


拘置所の長く高い塀に沿って,今日も母親が面会にいきます。
厳しい暑さは母親が辿る日陰すら与えません。
母親の置かれている厳しい現実を思わせます。